伊藤博之事務所ブログ

秋田県能代市の司法書士/行政書士 伊 藤 博 之 です。令和3年には『土地家屋調査士』も登録。人口減少率日本最大の地方を舞台に、士業のONとOFFを綴るブログ!

遺言公正証書、年10万件突破の記事

今日付けの毎日新聞で、遺言公正証書が年10万件を超え、

2014年は10万4490件に達したと報じられています。

(飯田憲さんという方の署名記事で、良い記事です)

 

記事の中のグラフ「遺言作成証書の作成件数」によりますと、

2010年が8万件くらいですので、わずか4年で2万5千件

程度増えています。

 

高齢化社会を背景に遺言公正証書の作成は凄い伸び率ですが、

近年の増加は、例えば

「夫婦に子供がおらず、疎遠な兄弟に財産を渡したくない」

事実婚でパートナーに財産を残したい」

といった理由があるとのこと。

 

最近は離婚率が高いので、配偶者に先妻(先夫)とに子ども

がいるケース、さらに先々妻(先々夫)にも子どもがいるよ

うなケースがあり、そうした場合相続関係が複雑だったりし

ますので、そのような相続関係の多様化が一因として、確実

な相続を期待して、遺言公正証書を作成することが多くなっ

ているようです。

 

 

この公証役場にいる公証人による遺言公正証書の作成件数、

年10万件超えという数字ですが、私はまだまだ少ないと

思っています。

 

公証役場といっても、身近にあるとは限らないため、必ずし

も利用しやすい制度ではないからです。

 

秋田県内では公証役場は、県内に二つあり、一つは当然、

秋田市なのですが、もう一つはなぜか我が能代市にあります。

 

そして残念ながら能代市よりも人口の多い大館市とか横手市

には公証役場はありません。

 

その意味で能代市周辺の人にとっては、公正証書作成に関しては

恵まれた地域にあります。

逆に、公証役場が遠い方は利用しづらい面があり、公証制度は

国民一人一人に平等なサービスではない、といった側面があります。

 

 

さて、遺言公正証書を作成するには、証人2名が必要(承認は

遺言者に近い親族の方はなれない)なため、私も証人をお願いさ

れるケースが増えてきているのですが、

先日は、私と同い年の方が遺言公正証書を作成し、証人として、

立ち会ってきました。

 

公証人の方も、「遺言者が今までで一番若い」と話しされてい

ました。

 

誰がいつ亡くなるかは、本当にわかりませんので、

遺言を遺しておいた方が良い人は、元気なうちに作成しておい

た方が安心です。

 

 

遺言公正証書

遺言を残したい人の話を公証人が筆記して作成する文書。

公文書であるため自筆に比べて確実なものとして扱われ、

不備や紛失の恐れも低い。

作成手数料は遺産額で決まる。

(「公証人手数料令」で規定され、全国一律)