会社法の一部改正が平成27年5月1日から施行されます。
さらに商業登記規則の改正が2月27日から施行されています。
一般の方々にはまったく関係しないような法改正ですが、司法書士業界において
は重要な法改正を含んでいます。
当方は、いつの間にそんなことになってるんだ?というレベルでしたので、
3月14日(土)に秋田県司法書士会で実施された研修でしっかり概要を
おさえてきました。
今回も、秋田県会の研修は内容の濃い、タイミングが抜群の研修でした。
あとはその知識を、私が日々使えるような状態でブラッシュアップしていないと
いけませんね。
会社法の改正がらみの方は、上場会社、大会社に関連するような内容がほとんど
でしたので、それほど業務に関連はしない気がしています。
業務に関連する部分では
1 公開会社において発行可能株式総数の変更がらみにおいて発行済株式の4倍を
超えることができない、いわゆる4倍規制を免れることはできなくなった。
(今までは4倍規制を免れる制度が一部存在した)
2 監査役の監査の範囲に関する登記の新設
具体的な登記事項は、会計限定監査役の人について
『役員に関するその他の事項』として
「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」
とする旨の登記が必要となる
この2点が業務に関連するのではないか、と。
特に2番の監査役の登記事項は業務上、重要だと思います。
これら会社法改正より、もうすでに施行されている改正商業登記規則の方が、
より業務に関わる案件です。
改正事項は大きく3点。
1 取締役、監査役等の就任登記における本人確認資料の提出
→ 虚無人名義でないか確認するので住民票添付
研修の講師の方が、正確には住民票は役所に記録され、役所でもらうのは
『住民票の写し』が正式名称だが、依頼者に「『住民票の写し』を準備してく
ださい」と説明すると『住民票の写し』の写し(コピーしたもの)が準備さ
れてしまうので、『住民票の写し』と言わずに、ただ『住民票』と言った方
がよいと思います、と説明されていました。
2 代表取締役等の登記所に印鑑を提出している者が辞任する場合
→その辞任届には
① 登記所に届け出ている印鑑による押印
② 個人の実印にて押印 + 個人の印鑑証明書添付
①または②とすること
3 婚姻前の氏の記録申出制度
会社の役員の氏名につき戸籍上の氏名に追記して婚姻前の旧姓を記録すること
が認められるようになった。
登記すべき事項の記載例
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」甲野A子(乙原A子)
「原因年月日」平成○年○月○日就任
趣旨は、旧姓を使用して社会活動を行っている者が、会社の役員に就任した際
に、実際に使用している氏名では登記されないため、社会活動上の不便が生じ
ているから、とのこと。
研修中に、『実際この制度利用する人なんているんでしょうかね~』と私が隣に
座る女性司法書士に何気なく話したら、なんとその人は『旧姓を使用して社会
活動を行っている方』でした(冷や汗)。
その方いわく『この制度は必要です』とおっしゃっていました。
時代とともに制度も変容していくようです。